サガシモノ
「近藤先輩にも連絡がいってるんですか?」


健がそう聞いた。


「あぁ。校長から聞いたんだ。前回の時の話も俺から校長に伝えたからだろうな」


「あたしたちも結構時間かかってると思うんですけど、まだメンバーは減ってないんですよ」


あたしは気になっていたことを聞いてみた。


近藤先輩は、探し物をしている間に仲間が1人、また1人といなくなってしまうと言っていた。


「あぁ、それについてもちょっと考えてみたんだけど、先に俺の話を聞いてくれるか?」


またなにかオカルト話だろうか?


それならもうお腹一杯だ。


今年の夏は毎日旧校舎に入りびたりだもん。


「君たちが見ている映像と、前の経験者が見えていた映像は劇的に違う」


「へ……?」


近藤先輩の言葉にあたしたちは目を見開いていた。


「それって、どういうことですか?」


陽がそう聞いた。
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