サガシモノ
助ける
それからあたしたちは飯田アキラに連れられて、旧校舎の2階へと移動して来ていた。
妙な人影が見えていたあの場所へ向かうと、そこには今までなかった扉が現れていたのだ。
「みんな、大切な人奪って本当にごめん。こうでもしないと俺の腕時計を探し当ててくれる人はいないと思ったんだ」
飯田アキラは申し訳なさそうにそう言うと、そのドアを開いた……。
「陽!!」
そんな声がして、栞がドアから走って出て来た。
陽に飛びつくようにして抱き着く。
「栞……!!」
陽は目を丸くして、だけど嬉しそうに栞の体を抱きしめた。
栞だけじゃない。
工事の格好をした男性たちや、今の椿山高校の制服を着ている生徒たち、それに……吉原郁美の姿まであったのだ。
この腕時計に関わって行方不明になっていた人たち全員が、この部屋の中にいたんだ。
「栞、大丈夫だったか? なにもなかったか?」
「大丈夫だよ。この部屋の中は出口はなかったけれど中はすごく快適だったの!」
「そ、そうなのか?」
陽はチラリと飯田アキラを見る。
「なんなら入ってみる?」
飯田アキラにそう言われて、慌てて左右に首をふる陽。
その様子に思わず笑ってしまいそうになった。
妙な人影が見えていたあの場所へ向かうと、そこには今までなかった扉が現れていたのだ。
「みんな、大切な人奪って本当にごめん。こうでもしないと俺の腕時計を探し当ててくれる人はいないと思ったんだ」
飯田アキラは申し訳なさそうにそう言うと、そのドアを開いた……。
「陽!!」
そんな声がして、栞がドアから走って出て来た。
陽に飛びつくようにして抱き着く。
「栞……!!」
陽は目を丸くして、だけど嬉しそうに栞の体を抱きしめた。
栞だけじゃない。
工事の格好をした男性たちや、今の椿山高校の制服を着ている生徒たち、それに……吉原郁美の姿まであったのだ。
この腕時計に関わって行方不明になっていた人たち全員が、この部屋の中にいたんだ。
「栞、大丈夫だったか? なにもなかったか?」
「大丈夫だよ。この部屋の中は出口はなかったけれど中はすごく快適だったの!」
「そ、そうなのか?」
陽はチラリと飯田アキラを見る。
「なんなら入ってみる?」
飯田アキラにそう言われて、慌てて左右に首をふる陽。
その様子に思わず笑ってしまいそうになった。