サガシモノ
「早く終わらせて海に行こうね」


課題を始めた直後、栞がそう呟いた。


「そうだね。海とお祭りは必須だよね」


渚も賛同する。


あたしは2人の意見に何度も頷いた。


その2つをコンプリートしなければ夏休みとは呼べない。


「浴衣着る?」


あたしは2人に聞いてみた。


「当たり前でしょ?」


「常識だよね」


やっぱり、そういう返事がきたか。


「実はあたし新しい浴衣買ったんだよね」


あたしはそう言い、白い生地に朝顔の絵が描かれている浴衣を思い出した。


少し地味かもしれないと思ったけれど、白い生地がとても眩しくて可愛く見えたんだ。


「なにそれ、ずるい」


栞がそう言って頬を膨らませた。


「あたしも新しい浴衣買おうかなぁ」


渚はそう呟いた。
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