サガシモノ
夏の日
旧校舎は本気で危ない。


それが理解できたあたしたちはそれぞれの家に帰ってきていた。


布団に入って目を閉じると、旧校舎で見た顔の歪んだ男子生徒たちを思い出し、身震いをした。


本当に幽霊を見てしまった。


日頃から見て見たいと思っていたものの、本当に見るとは思っていなかった。


しかも3体も。


「どうしよう、お祓いとか必要なのかな」


なんの準備もないままに、ただの遊びで幽霊に会ってしまうのは危険な行為だと、もちろん知っていた。


幽霊なんていないと心のどこかで思い込んでいたのが、今回の結果に繋がってしまったんだ。


あたしは布団を頭まで被り、ギュッと目を閉じた。


もう二度と旧校舎には近づかない。


絶対に、なにがあっても。


この時はまだ、本気でそう思っていたのだった……。
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