サガシモノ
2人でアイスを食べながら歩いていると、なんだか夏休みという雰囲気がしてくる。
「日焼けしちゃうねぇ」
渚はそう言いながら自分の腕を見る。
まだまだ白いけれど、こうして歩いているだけで小麦色になりそうだ。
アスファルトの照り返しに顔をしかめながら、アイスを口に含む。
甘いミルクの味が口いっぱいに広がって元気が出て来るようだった。
「栞、置いて逃げちゃったこと怒ってるかな?」
不意に渚が不安そうな表情を浮かべてそう言った。
「どうかなぁ……」
栞が一緒に逃げてきていなかったことを、誰も気が付いていなかったのだ。
1人で旧校舎に置き去りにされた気分を考えると、ため息が漏れた。
「怒ってるだろうね」
だからこそ栞は1人で帰ってしまったんだ。
朝になっても連絡は来ていなかったし、きっと怒っている。
「謝らなきゃね……」
渚が気まずそうにそう言う。
食べていたアイスが溶けて地面に落ちていく。
コンクリートの上で力なく広がって行くアイスまで、輪郭の歪んだ男子生徒たちに見えてしまった。
「早く行こう」
あたしはそう言い、早足に歩き出したのだった。
「日焼けしちゃうねぇ」
渚はそう言いながら自分の腕を見る。
まだまだ白いけれど、こうして歩いているだけで小麦色になりそうだ。
アスファルトの照り返しに顔をしかめながら、アイスを口に含む。
甘いミルクの味が口いっぱいに広がって元気が出て来るようだった。
「栞、置いて逃げちゃったこと怒ってるかな?」
不意に渚が不安そうな表情を浮かべてそう言った。
「どうかなぁ……」
栞が一緒に逃げてきていなかったことを、誰も気が付いていなかったのだ。
1人で旧校舎に置き去りにされた気分を考えると、ため息が漏れた。
「怒ってるだろうね」
だからこそ栞は1人で帰ってしまったんだ。
朝になっても連絡は来ていなかったし、きっと怒っている。
「謝らなきゃね……」
渚が気まずそうにそう言う。
食べていたアイスが溶けて地面に落ちていく。
コンクリートの上で力なく広がって行くアイスまで、輪郭の歪んだ男子生徒たちに見えてしまった。
「早く行こう」
あたしはそう言い、早足に歩き出したのだった。