サガシモノ
☆☆☆
旧校舎に足を踏み入れた瞬間、あたしは身震いをした。
やっぱり寒気がする。
渚があたしの服の袖を掴むので、あたしは渚の手を握りしめた。
とても寒いのに、あたしたちの手は少し汗ばんでいる。
「なにもないな」
広間まで来て柱時計を確認しても、時計は動いていなかった。
やっぱり、時間が早かったからだろう。
さっきまでは早く旧校舎へ行きたいと感じていたのに、今はその気持ちが少しも残っていない。
「2時になるまであと30分はある。少し校舎内を調べてみよう」
後ろから来た健がそう言った。
「校舎内を調べる……?」
あたしはそう聞き返した。
「あぁ。探し物のヒントになるようなものが隠されているかもしれないだろ」
確かにそうかもしれなかったけれど、この校舎内を歩き回る勇気なんてあたしにはなかった。
「この校舎はそんなに広くないもんな。どこにどんな教室があるのかくらいなら、すぐに調べ終われそうだな」
陽はそう言い、また歩き出した。
旧校舎に足を踏み入れた瞬間、あたしは身震いをした。
やっぱり寒気がする。
渚があたしの服の袖を掴むので、あたしは渚の手を握りしめた。
とても寒いのに、あたしたちの手は少し汗ばんでいる。
「なにもないな」
広間まで来て柱時計を確認しても、時計は動いていなかった。
やっぱり、時間が早かったからだろう。
さっきまでは早く旧校舎へ行きたいと感じていたのに、今はその気持ちが少しも残っていない。
「2時になるまであと30分はある。少し校舎内を調べてみよう」
後ろから来た健がそう言った。
「校舎内を調べる……?」
あたしはそう聞き返した。
「あぁ。探し物のヒントになるようなものが隠されているかもしれないだろ」
確かにそうかもしれなかったけれど、この校舎内を歩き回る勇気なんてあたしにはなかった。
「この校舎はそんなに広くないもんな。どこにどんな教室があるのかくらいなら、すぐに調べ終われそうだな」
陽はそう言い、また歩き出した。