サガシモノ
「階段ってどこにあった?」
健がそう聞くと「玄関を入ってすぐ右手だ。広間とは逆方向だから見落としたんだろ」と、海が言った。
少し口の悪い海だけれど、しっかりと見てくれていたようだ。
あたしたちは海の言う通り一度玄関へ戻ってみると、確かに階段が見えた。
木製の立派な階段だ。
階段を上っていくと、すぐに3年生の教室が現れた。
そして音楽室に体育館らしき大きな教室も。
「特に変わったところはないな」
健がそう言った。
あたしたちが通っている椿山高校に比べれば教室の数は随分と少ないが、昔は専攻科も少なかったようなので、不思議ではなかった。
5人全員で広間へと戻ってきた時、タイミングよく夜中の2時を知らせる時計の音が響き渡った。
心まで響いてくるその音に耳を塞いでキツク目を閉じる。
今日も始まる……。
健がそう聞くと「玄関を入ってすぐ右手だ。広間とは逆方向だから見落としたんだろ」と、海が言った。
少し口の悪い海だけれど、しっかりと見てくれていたようだ。
あたしたちは海の言う通り一度玄関へ戻ってみると、確かに階段が見えた。
木製の立派な階段だ。
階段を上っていくと、すぐに3年生の教室が現れた。
そして音楽室に体育館らしき大きな教室も。
「特に変わったところはないな」
健がそう言った。
あたしたちが通っている椿山高校に比べれば教室の数は随分と少ないが、昔は専攻科も少なかったようなので、不思議ではなかった。
5人全員で広間へと戻ってきた時、タイミングよく夜中の2時を知らせる時計の音が響き渡った。
心まで響いてくるその音に耳を塞いでキツク目を閉じる。
今日も始まる……。