サガシモノ
☆☆☆

こっそり家に戻って自分のベッドに身を沈めても、全く眠れる気配はなかった。


何度も何度も彼らの顔を思い出してしまう。


1人は色黒で体格がいいスポーツマンタイプ。


1人は背が高くてヒョロリとしていた。


そして最後の人は中肉中背の釣り目だった。


しっかりと脳裏に焼き付いている。


彼らは大人しいクラスメートに何を話しかけていたんだろう?


返事をしてもらえていなかった様子だけれど、仲が悪いのかもしれない。


あの映像を見せたと言う事は、あのクラスメートも関係しているのかな……。


そんな事をベッドの中で考えていると、窓の外が明るく鳴りはじめてしまった。


小鳥のさえずりが聞こえ始めてあたしは眠るのを諦めた。


きっと、みんなも今日は眠れていないだろう。
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