サガシモノ
どこにもない
旧校舎へ足を踏み入れると相変わらずの冷気が体に絡み付いて来て、身震いをした。
この寒さは何度経験しても馴れない。
生徒玄関を入ってすぐ左に曲がり、階段を上がり始めた。
ライトで周囲を照らしていても気味の悪さに変わりはなかった。
階段を一歩上がるたびに外から見た人影を思い出す。
「ねぇ、教室から誰かが出て来たらどうするの」
あたしの後ろを歩いていた渚が不安そうな声でそう言った。
「何をしてたのか聞けばいいだろ」
海が当然、という雰囲気でそう返事をした。
「それってさ、人間だった場合の話だよね?」
渚がそう言い、一瞬沈黙が流れた。
相手が人間以外の何かだったらどうするか?
そんな質問、誰も答えられるわけがなかった。
誰も何も言わないまま、2階の教室が見えて来た。
知らない間に何度も唾を飲み込む。
この寒さは何度経験しても馴れない。
生徒玄関を入ってすぐ左に曲がり、階段を上がり始めた。
ライトで周囲を照らしていても気味の悪さに変わりはなかった。
階段を一歩上がるたびに外から見た人影を思い出す。
「ねぇ、教室から誰かが出て来たらどうするの」
あたしの後ろを歩いていた渚が不安そうな声でそう言った。
「何をしてたのか聞けばいいだろ」
海が当然、という雰囲気でそう返事をした。
「それってさ、人間だった場合の話だよね?」
渚がそう言い、一瞬沈黙が流れた。
相手が人間以外の何かだったらどうするか?
そんな質問、誰も答えられるわけがなかった。
誰も何も言わないまま、2階の教室が見えて来た。
知らない間に何度も唾を飲み込む。