サガシモノ
「それでも探さないとな。3組の教室を探したい所だけど、昨日探したもんな。今日は2組をさがしてみるか」


健がそう言い、隣の教室を指さした。


隣の教室は全く関係ないように思えるけれど、探し物もわからなければ、探す場所だってわからないのだ。


とりあえず行ってみる価値はあるかもしれない。


そう思い、あたしたちはぞろぞろと隣の教室へ足を進めた。


2組の教室は机がほとんど運び出されてしまっている状態で、調べる所はとても少なさそうだ。「これなら簡単に探し出せるな」


海が言う。


「冗談言わないでよ。何を探すのかもわかってないんだから」


渚がすぐにそう答えた。


「それっぽいものを見つければいいだろ」


海はそんな事を言いながら教室内を探し始めた。


あたしは昼間考えた学生が持っていそうなものを頭に思い浮かべて探し物を始めた。


この時代だと生徒手帳とか、万年筆とかかな?


あたしは高校の入学祝いに図書カードを貰ったけれど、昔の人は万年筆が多かったと聞いたことがあった。



少し高級な万年筆とかだったら、宝物にもなる。

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