サガシモノ
図書室
お母さんの意外な忘れ物を見つけただけでこの日の探し物は終わってしまった。
夜中の2時から3時の間だけ、しかも映像を見た後から探し始めるからなかなか探し物は進まない。
冷気がスッと消えて行くあの瞬間は深い安堵に包まれるが、今日も成果はなかったと落ち込んでしまう。
翌朝。
あたしはまだ眠い目を無理やりこじ開けて渚と2人で学校の図書室へと来ていた。
最近は課題が全く進んでいないので、さすがに不安になったのだ。
「新校舎って新鮮だね……」
校内を歩いて図書室まで向かっている途中、渚はしみじみとした表情でそう呟いた。
「そうだね。昼間だし、明るいし」
あたしは何度も頷いてそう言った。
綺麗に掃除をされている校舎はとても気持ちがいい。
これからは掃除をもっと真剣に頑張ろう。
そんな妙な気合まで入って来る。
図書室でしばらく課題をしていたが、不意にポケットの中のスマホが震え始めた。
膝の上にスマホを隠しながら確認してみると、健からのメッセージだった。
《今から学校へ向かおうと思うんだけど、咲紀と渚も来れないか?》
そんな内容のメッセージを渚に見せる。
「学校って、旧校舎?」
「わかんない。でも、旧校舎なら旧校舎って言うよね?」
夜中の2時から3時の間だけ、しかも映像を見た後から探し始めるからなかなか探し物は進まない。
冷気がスッと消えて行くあの瞬間は深い安堵に包まれるが、今日も成果はなかったと落ち込んでしまう。
翌朝。
あたしはまだ眠い目を無理やりこじ開けて渚と2人で学校の図書室へと来ていた。
最近は課題が全く進んでいないので、さすがに不安になったのだ。
「新校舎って新鮮だね……」
校内を歩いて図書室まで向かっている途中、渚はしみじみとした表情でそう呟いた。
「そうだね。昼間だし、明るいし」
あたしは何度も頷いてそう言った。
綺麗に掃除をされている校舎はとても気持ちがいい。
これからは掃除をもっと真剣に頑張ろう。
そんな妙な気合まで入って来る。
図書室でしばらく課題をしていたが、不意にポケットの中のスマホが震え始めた。
膝の上にスマホを隠しながら確認してみると、健からのメッセージだった。
《今から学校へ向かおうと思うんだけど、咲紀と渚も来れないか?》
そんな内容のメッセージを渚に見せる。
「学校って、旧校舎?」
「わかんない。でも、旧校舎なら旧校舎って言うよね?」