君の隣に
「でも、将生用があったんじゃ…」

将生は私に振り向き頭を触った。

「用は済んだよ。えりなを手当するって用が。」

…将生。

なんかすごいドキドキする。

なんで?なんでなの?

「…ありがと。」

ガラガラ…

「何で将生がいんの?」

裕樹…なんか怒ってる?

「別に…裕樹に関係ないだろ。」

ん?将生も怒ってる?

「えりな、怪我は…」

怪我のこと心配してくれたんだ。

今日は色々あって疲れた…。

「怪我は大丈夫、将生に手当してもらったし。裕樹に怪我なくて良かったよ!」

裕樹はサッカー部だからこんな事で怪我なんかしてられないよね。

だから私が怪我してよかった。

「でも…お前は女の子なんだから。」

「珍しい…裕樹がそんなこと言うなんて…あはは。」

空気が重い。

なんでこうなるのかなー…。

「お前さ、えりなに対して過保護じゃねぇ?」

「将生っ、何言ってんの!二人のミスで試験管が割れたんだよ!心配くらいするじゃん!私が裕樹だったら心配するもん!」

なんなのなんなのなんなのっ!

「将生が言ってるのは今の事じゃないよ。な、将生。そうだろ?」

裕樹は元から過保護だって言いたいのかな?それだったら涼太の方が…

「そうだよ、俺が言いたいのはそういう事。」

意味わかんない。

「裕樹より涼太の方が過保護だと思うけど…私は…。」

二人ともこっちを睨んでる…

「なによ…。」

ちょっとこの沈黙嫌だ。

ガラガラ…

「やっぱり…3人とも戻ってこないの?先生が様子みてこいってうるさいよ。」

ナイスタイミング、涼太!

「涼太っ…。」

私は涼太の所に駆け寄った。

「怪我、大したこと無さそうで良かった。」

「ありがとう。」

涼太が来ても2人は睨んだまま。

「えりなさ、俺は将生を連れて帰るから裕樹と少しお話ししたら?先生には、謝ったりしてるって伝えとくから。」

そう言って涼太は私の頭を撫でた。

ドキッ…最近涼太に触られると胸が痛い…苦しいっていうかなんて言うか…なんだろう。

「涼太、ありがとう。えりなと話すよ。」

「じゃ、いくよまーくん。」

「は、なんで俺が!」

2人はそう言って保健室を出ていった。


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