君の隣に
ぼーっとしていたら、いつの間にか男子が終わっていた。

「はい、ジャージ。裕樹、涼太、将生、お疲れ様。」

「さんきゅ!ジャージ畳んでくれたんだ!ありがとう。」

「ありがとう。」

「あぁ。」

「ともみも言ったら?」

バシッ

「馬鹿じゃないの、べーっ!///」

今のめっちゃ痛いっ!

お疲れ様くらい言えるでしょ。

恋してる女の子はよくわからない。

ていうよりともみがよくわからない。


とうとう女子の番になった。

シャトルランいやだな。

行きたくなくて足が動かない。

いや、動かせない。

先生が大きな声で呼びかけをしてる。

女子って集まるの遅い。

なぜか視線を感じて見ると涼太だった。

「ほら、行ってきなよ、えりな。田中も待ってるよ。」

そう言って背中をぽんと押された。

「うん、涼太ありがとう。行ってきます。」

涼太は本当に気が利くし、よく見ててくれる。

ダメな時はちゃんと注意してくれるし。

いいことしたら褒めてくれるし。

何ていうか…お母さん的なかんじ。

ともみに駆け寄るとまだ怒っていた。

「ともみ、冗談だったんだけど…」

「知ってるよ、でも恥ずかしかったの。」

「だからって痛かった。」

「お前が悪い。」

そう言ってともみが笑った。

ともみ機嫌なおってよかった。

「さ、頑張ろ!ともみ!」

「…お前には負けない。」

「勝ち負けじゃないから。笑わせないで。」
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