君の隣に

二時間目 数学

「えー…ここがXなので…3を代入すると…」

体育の後の数学は半分近くが寝ている。

将生って授業中に寝てるって言ってたよね…どこにいるんだろう。

キョロキョロしていると…

「おい、なにキョロキョロしてんだ。この問題は杉田に解いてもらおうかな。」

えっ、全然聞いてなかった…。

「先生、まじですか?」

「先生はまじです。杉田早くしろ。」

裕樹の隣を通ろうとした時

「えりな、ノート忘れてるよ。持ってけ。ノート忘れるとか解く気あるのかよ。ばか。」

「なによ、裕樹のばーか。」

あれ…これ私のノートじゃない。

裕樹を見ると親指を立ててドヤ顔をしている。

裕樹のノートを見ながら問題を解いた。

いや、書いた。

「杉田、完璧だよ。しっかり聞いてるな。戻っていいぞ。」

なんなの。

「裕樹…ありがとう。」

何故か恥ずかしいくなった。

「別に…俺はえりなにノート渡しただけ。ノート忘れて恥かくのはかわいそうだし。」

そう言って裕樹は背中を掻いた。

照れてる彼の証拠だって本人は気付いてるのかな。

まぁ、そういう所が裕樹らしい。
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