線香花火
「玲、何でいるの」
あーあ、私って素直じゃない。
玲がいて、ほんとは飛び跳ねちゃうぐらい
嬉しいのに…。
「あらやだエレナったら。
お母さんに似て素直じゃないんだから〜」
「ちょっとお母さん…!!」
お母さんは私が玲のこと好きだって知ってる。
玲のママさんも知ってる。
でも玲は、知らない…はず。
「え、なになにエレナ。
ほんとは、俺がいて嬉しいってこと?」
「…別に」
「あーっそ?じゃあ…俺帰る〜」
え!?ちょ、ちょっと待ってよ!!
と、思うのに、
「勝手にどうぞー」
あーーー!!!
正反対の言葉しか出てこない。
玲は私の言葉に返事もせずに玄関に向かう。
「ホラ、素直になんなさい」
お母さんに耳元で囁かれる。
ってか、元凶あんただからね!!
「それじゃ、お邪魔しまし…「…っ玲!」」
私はダッシュで玄関まで行き、
玲の腕を掴む。
「い、一緒にご飯食べるんじゃないの…?
帰らないで、いーじゃん…」
まだちょっと素直じゃないきがするけど
私にはこれが限界!!