病気持ち少女とNo.1暴走族
そう見せてるし。
そうしてるし。
そう思うのは当たり前だ。
「け、けど。
本当は優しい子だってわかったよ!!
…ごめん、悪い子って思ってて…」
「…別に。私、悪い子だから。
勘違いしないでよ。
鈴翔に頼まれたからアンタの事
化粧してあげただけ」
「…それでも、ごめん。
ありがとう」
「ありがとう」って、
久しぶりに言われた。
いつも言われるのサンキューだから。
「ちょっと君!!
鈴翔に頼まれたからって
無理矢理蛍ちゃんを連れてくなんて!!」
「蛍に怪我させてたらお前殴るぞ!!」
おい双子。私の後ろにいる
その蛍が見えないのか。
「うっせぇよダブルチビ。
その蛍ちゃんが私の後ろにいるって
気づかないの?」
私よりほんの少し背の高い双子を睨んで言うと
双子は私の後ろを見てポカンとする。
「サンキュー、鈴華」
「普通に"ありがとう"って言いなさいよ。
これでいいんでしょ?」