病気持ち少女とNo.1暴走族
みんな…。
…まさか、「ありがとう」って
言ってもらえるなんて
思ってなかった。
…もっと違う事言われるかと思った…。
「じゃあ、ちゃんと伝えたかった事
伝えられたし、お大事にね♪」
「またね〜!」
「またな」
次はちゃんとみんな帰ったみたいで、
私と鈴翔だけになった病室。
手当てが終わり、
疲れて私はゴロンとベッドに寝転がった。
「よかったな」
「……う、ん」
「泣いてんの?」
「…泣いてない」
「泣いてんのバレバレだ」
…ですよねー。
バレてても泣き顔を見られたくないから
ゴロンと寝返りをうって
鈴翔に背を向ける。
…私も、鈴翔に伝えないと。
「鈴翔、…ありがとね」
「あ?」
「い、色々とっ!
…鈴翔に救われた、から」
涙を堪えてそう言った。
だって、もし、鈴翔がいなかったら
みんなと仲良くならなかったし、
有栖川組も潰してなかったし、
潰してなかったら私の手術費なくて
今頃死んでた。