病気持ち少女とNo.1暴走族

「…君は…」



「…あ、運転手さん」





7年前、有栖川組の事で知り合った
あの勇気のあるタクシー運転手のおじいさん。





「目が覚めたのか?!」



「え?あ、はい。
無事生きてました」



「それはよかったよかった。
で、今日は診察に来たのかい?」



「…えー、…あはは…」





なんて言えばいいんだろう。
って、本当の事言ったら
戻されそう…、なんて考えて
なに言うか迷ってた。

嘘をつこうと思ったが、
助けてくれたし…、ね。





「脱走?しました!」



「はい??」



「今から復活した有栖川組を
潰しに、内緒で」





そう言ったら運転手はポカンとし、
5秒くらい固まって吹き出して笑った。
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