病気持ち少女とNo.1暴走族
「鈴華の父さんは手術を望んでる」
「本人は望んでない」
「望めば、生きれるんだぞ」
「そうだね。それでも私は望まない」
生きたい。手術をすれば生きれる。
けど、お金がないから。苦しいから。
私の病気を治すためにお金を使えば
お父さんがホームレスになるかも
しれないし。
そんな苦しい思いして欲しくない。
「鈴翔は、なんで私に死んで
欲しくないの?」
「…鈴華が死んだら、
俺の願いが叶わない」
じゃあ私は鈴翔の願いのために
生きてるのか。
…それも悪くないかもね。
「じゃあ、鈴翔の願いが叶えば、
私は死んでもいいって事か」
「は?」
「じゃあしょうがない。
…しょうがないから鈴翔の願いが叶うまで
生きてあげる」