夜空の下の帰り道
塾のメンツ
1
「ほらー雅!そろそろ行かないとー」
「はぁい」
月水木曜日の夜7時頃の母とのいつもの会話
雅というのは私の名前。
星名 雅 (ほしな みやび) 中学三年生。
学校では一応マジメで通ってるけど
そこまで根っからのマジメじゃないし
それなりに勉強頑張ってて
とりあえず県内の中でもトップクラスの高校を目指しては……いる
ってなわけで塾に行くため
この時間はお母さんがうるさい
なぜかというと、私の行ってる塾は
19時半から始まるから
それに合わせてお母さんに車で送ってもらう
と言っても、時間通りに授業が始まる塾じゃなくて、時間までに塾に行って、プリントを何枚かやり、すべて正解したら、帰れる
というシステムの塾
水曜日だけは授業だから、時間には行かないといけないけど
この日もいつものように母の車に乗り
塾まで送ってもらった
今日は月曜日だからなかなか帰れそうにない……
「はぁ……」
塾の席に着いて早々、ついため息が。
「ため息なんかしてぇ~恋でもしてるの?」
りな、何言ってんのよーーー
この子は、山崎 凜奈(やまさき りな)
他中だけど、塾で一番の仲良し!
好きなアーティストが一緒だからすぐに仲良くなったの
「恋なんか最近してないよ~」
最近は恋なんかより勉強…
学年が3年生になったとたん、
周りの大人が
「受験だーー!!!!」
「勉強しろーーー!!!!」
ガヤガヤうるさい
言われなくても受験生なのは分かってる
でも、夏までは……
いや9月の体育祭までは少しは楽しみたいよ~
「お前何考えてんだよ、顔おもれーぞ」
顔が面白いって、失礼ねぇ
この人は、五十嵐 蓮叶(いがらし れんと)
凜奈とも私とも学校が違うけど、
そこそこ仲良くしてる塾のメンツ
「面白くないよーーーー五十嵐!!!」
もぉ、ますますため息出そうだよ……
さぁ、プリント頑張ります…か……