俺が彼女に会えない理由
引っ込み思案であっても、基本的には天真爛漫で笑っていることのほうが多かった風花が、一度だけ、どんよりと落ち込んでいることがあった。
それは、小学校六年生のとき、学校の授業で「自分のアルバムを作ろう」という作業をすることになったときのこと。
各自生徒たちは自分の生後の写真から、現在の写真までを家から集めてきて、自分で作った画用紙のアルバムに貼り付け、コメントを書いていくというものだった。
その朝、うつむいている風花に、「どうした?」と声をかけると、「生まれたときの写真がないの」と半泣きの声が返ってきた。
よくよく話しを聞くと、両親に生後の赤ちゃんの頃の写真がほしいと言ったところ、生後直後からの写真は引っ越しのときに誤って処分してしまったから手元に無いのだと言う。
風花が持ってきたのは、生後6か月くらいからの写真だった。
「別に、いいじゃん」
慰めるつもりで言ったのだけれど、「良くない!どうして、みんなは生まれた日の写真とか生後1か月とか2か月とか、そういう写真があるのに、なんで私だけ無いの・・・」
そう言いながら、泣き出してしまった。
「無くても、変じゃないよ」とか何とか言って、泣きじゃくる風花を自分なりに頑張ってなだめたのだった。
それは、小学校六年生のとき、学校の授業で「自分のアルバムを作ろう」という作業をすることになったときのこと。
各自生徒たちは自分の生後の写真から、現在の写真までを家から集めてきて、自分で作った画用紙のアルバムに貼り付け、コメントを書いていくというものだった。
その朝、うつむいている風花に、「どうした?」と声をかけると、「生まれたときの写真がないの」と半泣きの声が返ってきた。
よくよく話しを聞くと、両親に生後の赤ちゃんの頃の写真がほしいと言ったところ、生後直後からの写真は引っ越しのときに誤って処分してしまったから手元に無いのだと言う。
風花が持ってきたのは、生後6か月くらいからの写真だった。
「別に、いいじゃん」
慰めるつもりで言ったのだけれど、「良くない!どうして、みんなは生まれた日の写真とか生後1か月とか2か月とか、そういう写真があるのに、なんで私だけ無いの・・・」
そう言いながら、泣き出してしまった。
「無くても、変じゃないよ」とか何とか言って、泣きじゃくる風花を自分なりに頑張ってなだめたのだった。