俺が彼女に会えない理由
あまりにも接点がないために、もう二度と風花と話せないままになってしまう・・・と焦りだしたのは中学三年の冬。

奇跡的なことに、風花も俺と同じ県立S高校を受験すると人づてに知った。

それを知ると、ますます風花と話したい欲求にかられた。

中学卒業まで時間もないし、話しかける絶好のチャンスだと思って、思い切って風花に声をかけることにした。

それは、1月半ば、高校受験当日の帰りのこと。

S高校で試験を終え、風花も電車に乗って成田駅に帰って来ると予想し、成田駅の改札で風花が出て来るのを待った。

マフラーで顔の半分までを覆い、凍えるようにして身を縮めながらやって来た姿に、「風花」と声をかけた。

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