俺が彼女に会えない理由
2003年。4月。

高校一年になって、幸運に恵まれた。

風花と同じクラスになれたのだ。

俺の運気は高校生になって、ついに上昇しだすのかもしれないと興奮した。

S高校は一学年が4クラスだけだから、確率的には四分の一で、もしかしたら一緒になれるかもしれないと期待してはいたが、クラス割り表が廊下に貼られ、自分の組に風花の名を見たときは思わず、しばし放心してしまった。

心臓の鼓動がこのうえなく強く激しくなり、全身が緊張と興奮でいっぱいになった。

うれしさが顔に出ないよう、普通の顔をするのが難しかった。

平静を装って教室に入ると、すでに風花は席についていて女子たちとしゃべっていた。
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