俺が彼女に会えない理由
入学初日から、風花を囲むようにして男女が話しかけていて、風花の容姿や人柄は男女のどちらからも羨望を集めるほどになっていることを目の当たりにした。

それは、初日だけでなくそれ以降もずっと毎日続いた。

頭の良さと気さくで明るい性格で、瞬く間にクラスの人気者になった。

日が経つごとに男子連中が風花のことで騒ぎ出し、好きだと言い始めるヤツが増えた。
他のクラスの連中や上級生も風花を見にわざわざ教室まで来て、風花と仲良くなるチャンスを常に狙っていた。

そういうわけで、せっかく同じクラスになっても、俺の出る出番は全然なく、遠い存在になった風花に話しかけることもない毎日が続いた。

そんな矢先のことだった。

「冬弥くん、一緒に帰ろうよ」

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