俺が彼女に会えない理由
そう笑い流し、歩き続ける風花の横顔を盗み見ながら、どうしようかと思った。
このまま冗談ってことにして流すか、それとも・・・。

だが、その横顔を見たら、愛おしくてたまらなくなった。
風花とこんなふうにいつもいたい、一緒に話したい、彼女にしたいと強く思った。

隣に風花がいるだけで幸せだと痛感した。

こんなにも気持ちがみずみずしく生き返り、平凡な通学路の風景さえ、鮮やかに綺麗に見えるのかと心底驚いた。

風花が隣にいる、ただそれだで、今まで知らなかった感情が全身に芽生える。

つまらない日常の生活さえ、何か素晴らしいことを秘めている世界に見える。

また明日、学校に行くのが楽しみになる。

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