俺が彼女に会えない理由
問いかけられた質問に首をひねると、「え?わかんないの?もー!」とまたぽんぽんと叩かれた。

「だからぁ、戦国武将が好きってこと。戦国武将が誰のことか、わかるでしょ?」

まさか、本当に?と驚きつつ、願いつつ、俺は自分のことを指さした。

「そうだよ、冬弥くんのことだよ!もう、鈍感なんだから!なんで、中学のとき、全然、声かけてくれなかったの!ずっと待ってたのに!」

驚いて足が止まった。

耳に入ってきた言葉が信じられず、何度も何度も風花の言葉を心で繰り返した。

まさか、俺が声をかけるのを風花が待っていてくれていたなんて、思いもしなかった。
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