俺が彼女に会えない理由
バスを降りて、坂を上がって行く。
小高い丘の上にある展望デッキに着くと、

「わぁ!大きい!!」

巨大な飛行機が目前に迫ってくるように離陸して大空へ舞い上がって行く光景に風花が歓声を上げた。

「やっぱ、飛行機って大好き!」

「俺も」

「あの飛行機はどこに行くのかなぁ」

「どんな人たちが乗ってるんだろ?」

「そうだね、どんな思いを乗せて、飛んでるのかなー。大人になったら、外国の人と接したり外国に行くような仕事がしたいな」

「いいよな。そういう仕事。お互い、そういう仕事に就こうぜ」

「そうだね!一緒に、海外旅行もいつか行こうね」

「ああ」

「なんか、すっごい楽しみ。大人になるのが、待ち遠しい」

そうやって、いつまでも飛行機を見ながら語り合った。

以来、俺たちにとって、一番のデートスポットとなり頻繁に二人で通った。
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