俺が彼女に会えない理由
週四でバイトし、空いた時間は風花や倉本と過ごした。

倉本とは、高校に入ってから知り合った。

違う中学校から進学してきた倉本は気さくな奴で、席が近いこともあってすぐに親しくなった。

まず、倉本も俺もグループ付き合いが苦手という共通点があった。
大人数と同時に付き合うということも、交友を広く持つことも、したくないしできないタイプだった。

本当に大切な友達は一人か二人で十分だという考えをお互いに持っていたのが、俺たちを強く結びつけた。

笑いのツボが同じだったということも、うれしい共通点だった。みんなが笑うところでは面白さを見いだせず、逆に誰も笑わないところでよく二人で笑った。

それ以外にも、口下手なところ、一人っ子、片親、部活に入っていないとかいろいろな共通点があったせいか、少し話しただけで瞬く間に大事な存在になった。

そして、倉本は風花との付き合いを応援し、見守ってくれていた。
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