俺が彼女に会えない理由
駅から表参道を20分ほど歩き、何度か曲がったりを繰り返して風花の家にたどり着いた。
今年も、持参した供え用の花束を両親に差し出し、線香を供え、手を合わせ、ひととおりのことを済ませると、居間に通され、出された麦茶をすすった。
両親は特に変わりない様子だが、年を重ね白髪が増えたことは見て取れる。
ここに風花を連れて来ることができたら、どれほど良かっただろうと思ったが、今はその気持ちはしまうことにした。
風花から、本当の父親ではなかったという話しを聞いてしまったため、どことなく両親と目が合わせにくい。
「こうしてね、冬弥くんが毎年来てくれて、本当にありがたい。今年も来てくれて、ありがとう」
風花の父、孝仁さんが言う。
これほどにも、風花への愛情が深い孝仁さんが本当の父親でないなんてことがありうるだろうか。
今年も、持参した供え用の花束を両親に差し出し、線香を供え、手を合わせ、ひととおりのことを済ませると、居間に通され、出された麦茶をすすった。
両親は特に変わりない様子だが、年を重ね白髪が増えたことは見て取れる。
ここに風花を連れて来ることができたら、どれほど良かっただろうと思ったが、今はその気持ちはしまうことにした。
風花から、本当の父親ではなかったという話しを聞いてしまったため、どことなく両親と目が合わせにくい。
「こうしてね、冬弥くんが毎年来てくれて、本当にありがたい。今年も来てくれて、ありがとう」
風花の父、孝仁さんが言う。
これほどにも、風花への愛情が深い孝仁さんが本当の父親でないなんてことがありうるだろうか。