俺が彼女に会えない理由
その時、里花さんが俺の首元に視線を落とし、首をかしげた。

「そのネックレス・・・」と、首元に向かって指を指してきた。

風花の家にあがる前に、ネックレスはTシャツの中にしまった。
ストーンの透明感が、なぜかだんだんと輝きだし、線香を供えに来た格好としてはふさわしくないように思ったからだ。

だから、ネックレスのチェーンしか里花さんには見えないはずだったが、なぜか興味を持ったようだ。
俺は、Tシャツからネックレスを出し、トップのストーンを見せた。

「これ、不思議なんですよ。見る角度によってストーンが、透明にも白にも見えたり。朝、部屋で見たときはこんなにきらきらしてなかったんですけどね」

何気なく、世間話しのつもりで言ったのだが、二人の顔がみるみるこわばっていく。

言葉を失って見開かれた目は驚愕を物語っていて、その驚きぶりに俺が驚かされる。

今まで、これほどにも全開に見開かれた目を見たことがないくらい、二人は唖然とし、口を開け、声にならない声を出している。

「ど、どうかしましたか?」
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