俺が彼女に会えない理由

運用計画の資料はもう何度も読み込んでいるが、目にするたびに没頭し時間を忘れてしまう。

気が付けば、いつの間にか東京だった。

ビルとビルの隙間からライトアップされた東京タワーが遠めに見える。

東京駅に着いたのは夜７時前で、それから職場に寄ってメール処理などの細々とした仕事を片付け、ようやく退社できたのは深夜に近かった。

腕時計に目をやると、都営新宿線の終電まで時間が迫っていて、足早に新宿駅に向かう。

今夜も終電になってしまった。
今日も仕事漬けの一日。
家と仕事の往復が繰り返される日常。

なんとか終電に乗り込み、いつものようにケータイをいじりながら過ごそうとスーツの胸ポケットからケータイを取り出し、座席に座った。