俺が彼女に会えない理由
「うん、ありがとう。別人として生き返っても、私はもう一度、冬弥くんに恋する気がする。根拠はないけど、そんな気がするの」

「名前、顔、声、何もかも忘れて、記憶が作り替えられてしまっても、俺は風花を探すよ。必ず、見つけ出してみせるから」

「涙がこぼれそう。でも、泣かない。冬弥くんとの約束、守る!」

「泣くことない。また次も出会うから。俺が風花を見つけに行くから。だから、絶対、他の男のものになるなよ」

「うん、私も、冬弥くんを探すから」

「ずっと、大切に想ってるから」

「一回でいいから、愛してるって言って。私、一度も言われたことない」

「そんなの、言えるかよ」

「言って。今、言わないと誰かのものになっちゃうかもよ」

< 224 / 239 >

この作品をシェア

pagetop