俺が彼女に会えない理由
この場に及んでも、風花とこれで永遠の別れになるという実感と風花が消えてしまうという実感があまりわかないのが不思議だった。

ただ、こういう運命をたどらなければならないことに対して、無性に怒りがわいてくる。
そして、その運命に抗えない自分自身に対しても。

今、この瞬間を最後に、風花がここから永久に消えてしまう。

なのに、自分は見守ることしかできないなんて。

だが、もう何度も自分の中で言い聞かせてきたことを今一度自分に告げる。

風花が生き返るのなら、これでいいんだと。

風花が去るその瞬間が訪れるのを、心を硬くして身構えた。
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