俺が彼女に会えない理由
その風花とまさか再び会うことができるとは。

魂が揺さぶられるほどうれしすぎて、叫んでしまいそうだ。

喜びとなつかしさと奇跡に、今度は俺が泣いてしまいそうになる。

目の前にいる風花のすべてが愛おしい。
12年間、愛おしみ続けたその目、その唇、その頬、その手。

これは現実のような夢なのか、夢のような現実なのか、はっきりわからない曖昧さに浮遊する。

「これ、夢じゃないよな?」

風花はクスっと笑ったあと、「現実だよ」ときっぱり言うと、俺の隣に座った。

「冬弥くん、私のこと、覚えててくれてたんだね」

「当たり前だろ。忘れるわけない」

「だって、私のこと見た瞬間、ユーレイでもみたような顔するし。無視もするし」

「だって、ほんとにユーレイじゃないか!」

「たしかにね」と笑った。
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