俺が彼女に会えない理由
「添嶋さんの目って、涼し気ですね」

すると、他の女性スタッフも、「キレ長の一重っていいですよね」と続けた。

そう言われることはわりと頻繁にあり、どうせ今のもお世辞か何かだろうと適当に聞き流すつもりだったが、

「なんか戦国武将、って感じですね」

突然、衝撃的な言葉が耳に入ってきた。

その言葉を口にした桜橋利奈子を冬弥は失礼とわかっていながら、思わず見入ってしまった。

冬弥は、小学生のときに現れた不思議な女性に言われた言葉が忘れられず、意味もわからずに、ずっと心の中に留めていた。

運命の人。

まさか。

「あ、ごめんなさい。失礼な意味はないんです。ただ、戦国武将みたいで強そうだなって思って」

「やだぁ、店長、顔が赤くなってますよ」

女性たちのクスクス笑う声が聞こえたが、冬弥はどう応えていいかわからなかった。
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