俺が彼女に会えない理由
「きっと、冬弥くんの周りにはキレイな人がたくさんいるんでしょ。私には冬弥くんを幸せにすることができないし、冬弥くんが幸せなら私もうれしいから」

そう言うなり、風花はリモコンで部屋の灯りを消した。暗闇にいきなり放たれたような気がして、ますます不愉快になってくる。

「バカなこと言うと、本気で怒るぞ」

風花に背を向け横向きになる。

「だって、本気でそう思ってるから。私がそう考えてるってこと、知っておいてね。どうせ私は96時間で消える女だし」

「黙れよ」

「私が消えたら、私のこと完全に忘れていいからね」

「黙れ」

俺は上半身を起こした。もうそれ以上、何も言ってほしくなかった。悲しくなるようなことは、聞きたくない。
膝立ちしてベッドに肘をつき、暗闇の中、うっすらと見える風花を見つめる。
ベッドに横たわりながら、風花も俺を見つめ返しているのがなんとなくわかる。
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