俺が彼女に会えない理由
「映画デート、久しぶりだね、楽しみっ!」

「俺も楽しみだよ。それまで、一人で大丈夫か?」

「私のこと、気にしないで。ユーレイにとっては、この部屋にいるだけで楽しいから。適当に本読んだりテレビ見たりして時間つぶせるから」

朝の支度を済ませてテーブルにつくと、すっかりセットされた朝食ができあがっていた。

淹れたてのコーヒーに、ロールパンで作ったハムサンドとチーズサンド。

一気に食欲がこみ上げてくる。

「よく、これだけの朝ごはんが作れたな」

俺は、びっくりした。今週は買い物に行ってないし、そもそも普段から料理なんてしない。気が向いたときに、近所のスーパーに寄って、手軽に食べられる物を適当に買うくらいだ。

ロールパンはそのままかじって食べるつもりだったし、チーズとハムはビールのつまみにするつもりで、これほどおいしそうなロールパンサンドができるとは思わなかった。
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