私に恋してくれますか?
第1章 お見合い前日。

困った言いつけ。

12月。
朝の食卓。
家族が揃って食事を取れる唯一の時間。
朝、7時半。


お手伝いさんが用意した洋風の食事が湯気を立てている食卓に
兄、如月(きさらぎ)30歳。は経済新聞に熱心に目を通し、
姉、皐月(さつき)26歳。はバッチリメイクで
かっちりしたワンピース姿であくびをかみ殺し、
私、雛子(ひなこ)24歳はふんわりした薄いピンクのワンピースを着て、
ボンヤリと、広い庭に目をやり、スズメが来てる。とちょっと微笑んだりする。

そして、両親が食堂に現れる。
「おはようございます。」とそれぞれに挨拶し、
兄が読んでいた新聞をお手伝いの静子さんに渡す。
「おはよう。」と両親が席に座ると、
焼きたてのパンがサーブされ、食事が始まった。



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