私に恋してくれますか?
1階の食堂でひとりで食事を終えてから、
コーヒーを静子さんに頼んで、リビングルームに移った。

コーヒーにクッキーが2枚添えられていた。
私の好きなルピナスのピスタチオの混ざったもの。
私が沈んだ顔をしていたからだろう。
元気のない時には少し甘いもの。
っていうのが、静子さんのやり方だ。

「静子さんはどうして、三好さんと結婚したの?」とクッキーを齧りながら溜息をつくと、

「…彼の誠実さが好きになったからです。」と少し考えてから、答え、少し顔を赤らめて微笑む。

「私も好きになった人と結婚したい。」と私がポツリと言うと、

「はい。」と静子さんは微笑んだ。
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