私に恋してくれますか？
吉野さんは水城さんが言っていた通り優秀だ。
語学も堪能で、事務能力もすごく高い。

「雛子ちゃんがいなくなるなら、美鈴ちゃんにずーっといてほしいな。
すげー、スペック高いし。美人だし。」
と可愛い吉野さんに早速デレデレの桜井さんが笑いかける。

「桜井、ミクに言いつけるぞ。」とトオルくんが言うと、

「最近、仕事が忙しいって言って、なかなか会えないんだよねえ。」とため息をつく。

「他に男ができたんじゃない？」とトオルくんが笑うと、

「…冗談でも、止めろよ。
おまえさー、今は余裕でも、雛子ちゃんがここからいなくなったら、
心配で、毎日どうしてるか気になるんじゃない？」と桜井さんが言い返すと、

「俺は大丈夫だよ。
ピーコの事、信じてるし。」トオルくんは胸を張るけど、

「足立先生は？」と左近さんが笑うと、

「あのヤブ医者は信用できない！
ピーコに手ェ出すなって言ったら、鼻で笑いやがって、
電話を切りやがったし！」と大声を出すので、

「はいはい。仕事してください。」と吉野さんが笑った。


…離れると不安になる。

そんな事にも気づかないくらい、私はトオルくんのそばにいたんだ
って事に今更、気づいて、

これから離れて暮らす私たちの事を考え、
少しため息をついた。


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