私に恋してくれますか?
静子さんがやって来て、足立先生は帰って行ったみたいだ。
静子さんはパジャマを持って来てくれ、私は着替えてまた、眠った。

翌日、一度熱が下がったけど、また、午後になって上がってしまい、
心配した静子さんが母に相談して、実家に連れ帰られ、また足立先生が診察にやって来た。
その頃には咳がひどく出て、聴診器を当てた先生に
「うーん。気管支炎というより、肺炎になりかかってるかな。
これからレントゲンとって内科の先生に相談しよう。」
と三好さんの運転する車で足立先生と一緒に病院に行き、
採血とレントゲンを撮って、内科の先生の診察を受けた。

「まあ、軽い肺炎でしょう。内服で様子を見て大丈夫だと思います。
ゆっくり休んで。
3日経っても熱が下がらなければ、もう一回受診してください。」
と足立先生の同期の内科の先生に言われ、帰宅になった。


自分で体調管理ができていない。
帰りの車の中で私は大きくため息をつく。

マスクをして咳き込むと、となりに座った足立先生が背中を撫でてくれる。

「まあ、ひとり暮らし初心者だから、お義父さんには大目に見てもらおう。
実家に甘えて、少し元気になって。」と足立先生をは笑うけど、

「あのコドモは雛子ちゃんに無理をさせていそうだな。
休日の度に、会うのが恋人ってわけじゃないよ。
それがわからないのはオトナじゃないな。」と呆れた顔をした。

「…会わないと、不安なんです。」と私が小さな声で言うと、

「お互いに信じ合って、お互いを思い合う。
そして、時にはお互いのために離れることもある。
それが乗り越えられなきゃ、本当の恋人って言えないんじゃないの?」
と足立先生は厳しい顔をした。


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