私に恋してくれますか?
私がテーブルに戻ると、
「ピーコ。風邪ってそんなに酷かったんだな。
…ごめん。イロイロ…
ピーコを独占したくてずっとイライラしてた。」トオルくんは私の瞳を覗いた。

「怒ってないよ。
私もトオルくんと離れたら、
トオルくんが他の女の子を好きになるかもって思って、
見えない相手に嫉妬してたし…
トオルくんに嫌われたくなくて、
どうしてかなって疑問に思った事も聞かないで、
やる事がたくさんあって疲れていても
トオルくんと一緒にいたくて、ずっと無理をしてたの。
…一緒に暮らしてた時みたいに、ずっとくっ付いていて、
変わらないでいようってそう思ったの。
でも、そうじゃないよね。
仕事も生活も変わったし、
やらなければいけない事もある。
お互いに変わっていくんだから、もう少し、話をしよう。」と私が笑うと、トオルくんは頷き、


「俺はさあ、ピーコにふさわしいってどう言う事なんだろうってずっと悩んでた。
経済的な安定かって思って、
influenceの店舗を強引に増やそうとして左近に怒られたりしてさ、
ピーコの家みたいに昔からの資産家の家と同じようには、
俺が今すぐなれるわけじゃないのに…
やっぱり、ピーコのお母さんが言ってたみたいに、
俺の家族の問題でピーコを無用なトラブルに巻き込まないようにするって言うのが、
俺が初めに出来ることかなって
やっと、思えるようになったんだ。
兄貴と少し話してみるよ。
そう、上手くいくかはわからないけど…。」と言って、恥ずかしそうに笑った。

知っている笑顔。
私の大好きなトオルくんだ。
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