私に恋してくれますか?
トオルくんは
食事を終え、何度もくちづけし、

「俺の家族の問題が解決するまで、
ピーコを巻き込むといけないから、
しばらく離れよう。」

そう言って私を抱きしめ、部屋を出て行った。

「寂しい時があっても大丈夫。
俺たちは恋人だから。」

そう言ってトオルくんは最後に私の頬を撫でた。
私もうなずき、トオルくんの頬に掌を付けた。



私達はそれから、自分のやるべき事をする事にして、
時折連絡を取り合ったけれど、会うことはやめておいた。


足立先生は
「最近コドモと会ってないんじゃない?ついに別れた?」
と実家で食事をするたびに聞いてくる。

兄がトオルくんとスグルくんの間に入って少し相談に乗っているので、
トオルくんと私が会っていないのを知っているのだ。

「別れていません!」と私が言い返すのが定番になっている。

足立先生は楽しそうに、私の顔を覗く。
どうも面白がっているだけで、
私との距離はちっとも変わらない。

変な人だ。

兄や父や母とも、どんどん仲良くなっていくのに、
私の事はついでみたいだ。
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