私に恋してくれますか?
しばらく経って
トオルくんはstormに戻り、家具の仕入れを担当する部署に就いた。

昔と同じ部署だったので、上手く仕事が始めれそうだって、ラインが入った。

influenceはstormに吸収合併される事になったけど、
左近さんも桜井さんもinfluenceの新しく出来た雑貨部門を任され、
influenceという店舗の名前はそのまま使われる事になったし、
輸入家具会社の大手であるstormの社員になる事で、経済的にも安定して、
大きな資金で取引できるようになったため、ますます楽しい事が出来ると
喜ばれたみたいだった。
stormの会社を兄弟で運営する事が役員会で決まったトオルくんが
influenceの代表を兼務しているので、そう、肩身の狭い思いをすることもなさそうだ。

っていうのを、
時折開かれる「おもてなし会議」に出席した時に沙織さんから聞いた

ゆくゆくはスグル君が社長で、トオル君は副社長という肩書きになると
今では2人とすっかり仲がいい私の兄が言っていた。


こんな風に私はトオル君の様子を周りからイロイロ教えてもらう事が多い。

トオルくんは忙しくて、夢中になると、まるで言葉が足りなくなるみたいだ
っていう事が、離れてみるとよくわかった。

こんな風に言葉が足りなければ、今までの女の子達が上手く付き合っていけなかったのも頷ける。
危うく私もトオル君の気持ちがわからなくなるところだったし…

まあいい。

知りたければ、私が聞けばいいのだ。

最近は遠慮なく、知りたいことは聞けるようになった。

今のところ他のオンナノコの影はないし、
トオル君の中では、私は『たったひとりの運命の女』らしいし、
(これもトオルくんが左近さんに言っていたのを沙織さんに教えてもらった。)


まあ、その運命のオンナである私への連絡でさえ、滞り気味なのだ。

トオルくんの心に、他のオンナノコの入る隙はなさそうだ。




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