私に恋してくれますか?
指定された成田空港近くの外資系の贅沢なホテルのロビーにたどり着くと、
トオルくんがロビーで待ったいた。

「部屋にまだ入れないんですか?」と少し驚く。
今は午後3時過ぎだ。
一応ホテルのチェックインの時間を調べてきたんだけど…。

「いや、もう入れるよ。お昼にチェックインはしてあるんだけど…
部屋で待っていられなくて」と照れたように笑って私を固く抱きしめる。

周りの人が驚いて見てますけど…
まあ、いいかな…
トオルくんは私の頭に鼻をつけ
「いい匂いがする。」と笑った声を出す。
私もトオルくんの胸に顔を付けてトオルくんの匂いを吸い込む。
懐かしすぎて涙が出そうだ。

「荷物持つよ。」と荷物と、私の手を引いてエレベーターに向かって歩く。
変わらない広い背中も、強く握られた手も嬉しい。


「元気でしたか?」と私が聞くと、

「元気。すごく忙しいけど楽しい。」とニカッと笑って、私をみる。

久しぶりのトオルくんの笑顔が嬉しくて、私も笑顔になると

「ずっと、ピーコの笑った顔が見たかった。」とエレベーターの中で、そっと私の頬を撫でる。

私は自分の顔が赤くなって行くのがわかる。


部屋は贅沢なスイートルームだ。
でも、広い贅沢な室内を探検することなく

「ピーコ、相変わらず、可愛い。」

と部屋に入ると、トオルくんは私を抱き上げ、視線を合わせる。

私は真っ赤になりながらトオルくんに抱きついて

「会いたかった。」と小さな声で言うことができた。

「やべー。シャワーは飛ばして、ベットに直行。」

とトオルくんはそのままベッドに私を運んだ。

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