私に恋してくれますか?
3人で裏庭に出ると、温室の前でトオルくんに会った。

「やあ、ピーコ。」と私の顔をみる。

「トオルくん、どうしたの?」と私が驚いた顔を見せると、

「ヤブ医者が結婚してこの家の養子になるって聞いたから…」と私を真面目な顔で見る。

「なぜまた玄関から入ってこないんだ?!」
と父は不機嫌な顔をみせる。

「俺、パーティーに呼ばれてないんで…」とトオルくんは頭を下げる。

「まったく、呆れたヤツだな。
なぜ、連絡ぐらいしてから来ない」と父は呆れた声を出す。

「一刻もはやく雛子さんに会いたくて、電話している暇はありませんでした。」とトオルくんは言って、

「…ピーコ、俺は式に間に合わなかったのか?
ピーコをさらってどこかに逃げたかった…」と悲しそうに言って私を見つめた。

「…私は逃げないですよ。
トオルくんもパーティーには間に合うと思うけど?」
と私が首を傾げて言うと、

「そうか、ピーコ、
ヤブと結婚するんだな」と柵を乗り越えて、帰ろうとするので、

「ちょっと待って!
私は結婚なんてしないけど?」

「へ?
ヤブのヤツ日野の家に養子に入るって
俺にメールしてきたけど…」と、トオルくんは
唖然とした顔をする。


「養子には入るけど、私と結婚するわけじゃないし」と私が笑うと

「?…どうやって、養子に?」

「お姉ちゃんと結婚するから」と言うと、

「ええええー?!」とトオルくんは大声を出した。

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