私に恋してくれますか?
兄はゲラゲラ笑い、

「トオル、雛子がトオル以外の男と結婚するわけないだろう。」とおかしそうに言って、

「俺って、騙された?」とトオルくんは急に不機嫌な顔をする。

「俺は嘘は言ってないよ。」とヒロミさんがやって来た。

「ヤブ、紛らわしいメールをするな。」
とトオルくんはホッとした声を出しながら私を引き寄せ固く抱きしめる。

「おまえさあ、雛子ちゃんをほっておきすぎだろ。
1年も会わないなんて、振られても文句は言えないぞ。」とヒロミさんが怒った声を出す。

「仕事の途中でピーコに会ったら、そのまま連れて行きたくなるに決まってる。
でも、それじや、家族や友達と別れる事になって、ピーコに寂しい思いをさせるだけだし、
海外を回っているうちは、会わないってきめてたんだよ。」と私の顔を柔らかい瞳で覗いてから

「ヤブにはカンケーねーだろ。」
とトオルくんは機嫌の悪い声を出す。

「俺はもう、この家の一員だし、雛子ちゃんは妹だ。
おまえだって雛子ちゃんと結婚したら、俺の弟だよ。」とヒロミさんが笑った。

「ありえねー。」とトオルくんは空を仰いだ。





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