私に恋してくれますか?
「君は私に言う事があるんじゃないのか?」と父は機嫌の悪い声を出す。

「あ、
お義父さん、雛子さんを僕にください。」とトオルくんはニカッと笑う。

「…もうちょっと、真面目な顔をしろ!」とトオルくんを怒る。

「お義父さん、雛子さんと結婚させてください。
きっと、僕は未熟で、お義父さんは気に入らないかもしれないって思うんですが…
雛子さんを誰よりも愛しているって自信があります。
雛子さんを一生大切にします。」

「あたりまえだ。雛子を大切にしない男との結婚を許すわけにはいかん。」
と父は機嫌の悪い顔を見せる。


「えーっと、じゃあ、
俺は祖母の家を引き継ぐことができました。
雛子さんをここの近くに住まわせることができます。
いつでも雛子さんはここに遊びに来れます。
俺が海外に出張があっても、寂しくなったらここに来れるし、
孫ができたらお義父さんもいつでも会いに来れるって思うし…
…これって俺にしか出来ませんよね!」

とトオルくんは「よしッ」と頷いて、父と私にニカッと笑いかけた。





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