私に恋してくれますか?
その1週間後。

私達はトオルくんの両親に挨拶を済ませ、結婚する許しを得た。

スグルくんと婚約者の女性にも会ったけれど、
エクボの可愛い。しっかりした女性だった。

スグルくんと同い年だから6歳年上だけど、
私達はすぐに仲良くなって、
ルピナスのケーキを好きだって言ってくれたので、
忙しい婚約者達は抜きにして、
お互いにオススメの美味しいスイーツのお店に一緒に行く約束をしたりした。


政略結婚をしたご両親は
子どもが小さい頃はお付き合いする人が他にいたりして、
喧嘩が絶えず、
小さな子どもだったスグルくんとトオルくんは
随分と心を痛め、
お母さんが実家に戻ってしまう度、
おばあちゃんの家にお世話になっていたようだった。

おばあちゃんは優しかったけれど、
猫が遊ぶ庭がある
私の家が
私の家族が羨ましかった。

スグルくんもそう言っていた。

「僕達兄弟は、本当に愛する人と結婚しよう。って、
そう言ったはずななのに…
僕は会社を守ることばかり考えるようになってたな。
雛子さんには悪いことをしたね。
でも、トオルと家出したくれて
今ではすごく良かったと思ってる。」とスグルくんは私にそう言って微笑みかけた。











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