私に恋してくれますか?
その頃、トオルくんと私の新居は出来上がり、
トオルくんまだ探している家具を残して、全て引越しを済ませた。

純日本家屋の中にモダンな洋風な室内が作られたその家は
広い応接室(20人くらいのお客様を招けるようになっている。)を備えた家だ。
1階は玄関を挟んだ応接室の後ろは業務用のキッチンが入っていて、
パーティーの時はプロの料理人を雇えるようになっている。
そして、その後ろはお手伝いさんの部屋になっている。

玄関を挟んで反対側は家族で使うリビング、ダイニング、キッチン、奥にゲストルームが2部屋。
2階は家族が使う部屋。リビングからの階段を上がっていき、各室にバストイレが付いている。
夫婦の部屋は陽当たりがいい2階の半分だ。3部屋に内部で別れているが、見通しよく、
どこにいるかすぐにわかるようになっている。

トオルくんの仕事部屋は上半分がガラス張りで、声は聞こえないけど、
私が本を読んだり、編み物をしているのをそっと見られるようになっている。

家にいるトオルくんはあいかわらず、私をそばに置きたがる。
姿が見えないとピーコと呼ぶ声がすぐに聞こえる。


寝室のベッドはオフホワイトの革張りのものが見つかり、
クイーンサイズのモノが寝室に入れられたし、
新しくサイドボードをを出張先から送っているみたいだ。

トオルくんは新居のリビングに立って満足げに周囲を見回す。

トオルくんが購入した家具は高級なものだったけど、
スグルくんがstormでも販売することを決め、
「T−select」(トオルくんが選んだもの)シリーズ
という名前で販売されることが決まっているらしい。



トオルくんは窓辺に少し色の違うアンティークな揺り椅子を置いて、

「ばーちゃんの好きだった椅子。ここに置いていいかな。」と私の瞳を覗く。

「もちろん。味のある椅子ね。座ってもいい?」と私は椅子に座ってゆらりと揺らす。

「ここから庭がよく見えるわ。」とよく手入れのされた日当たりのいい庭を見ると、

「ばーちゃんのお気に入りの場所だった。」とトオルくんは微笑む。












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